DTSレポート#11 6月~8月のエチオピア渡航報告 2024年8月

2024年6月~8月のエチオピア渡航報告

2024年8月

例年通り夏季学級を実施し、約70名の子どもたちが参加し、数学や英語の授業に加え、通常の授業では行われない絵画の授業も行われました。

これは、エチオピアの活動パートナーDerejeさんを中心としたエチオピアの教師たちの支えにより実現したものです。

しかし私自身が村を訪問できたのは1度だけでした。これは、長期化した民族間の対立による内戦が激化し、経済や治安が悪化したためです。特に首都アジスアベバ市外への不要不急の移動が制限され、アカコ村への訪問が困難となりました。

アカコ村は、民族紛争に関連する地域として危険区域に指定されており、出入りが制限されています。

このような状況により、2024年9月以降、DTSを一時中断せざるを得ませんでした。

中断の理由には、情勢悪化に加え、活動パートナーDerejeさんの生活困窮もあります。彼が勤務していた私立学校の経営が低迷し、彼は解雇されてから半年以上が経ってしまいました。そのため、副業として協力していたDTSを運営するための環境整備が難しくなりました。私たちが借りていた学校の経営状況も悪化し、学校の運営が継続できなくなったのです。

エチオピアの現状

現在、エチオピアではブル(通貨)の安定性が失われ、物価が急上昇しています。そのため、スリやひったくり、強盗などの一般的な犯罪が増加しており、加えてテロや外国人を狙った誘拐のリスクも常に存在しています。アディスアベバ市内での移動にも十分な注意が必要です。

さらに、武装グループによる襲撃事件や治安部隊との衝突が頻発し、多くの死傷者が発生しています。この影響で、国内避難民(IDP)の数は増加し、2023年6月時点で約439万人が避難生活を余儀なくされています。そのうち、約290万人は紛争によるもので、さらに81万人以上が干ばつによる被害を受けています(2021年以降、連続して雨季の雨量が減少していることや自然災害の影響で、多くの家畜が死亡し、食糧難に陥る人々が増加しました)。

エチオピアは、隣国のスーダンやソマリア、エリトリアの内戦難民を受け入れる国でもありますが、内戦による国内避難民も増加しています。

一方で開発が続く街の中心地

人道支援の必要性

エチオピアの経済は停滞し、政府の予算が軍事や燃料、医薬品に多く使われる一方で、教育や社会福祉に必要な資源が不足しています。民族間の対立が深刻化しており、これらの要因が重なり、人道的支援を必要とする人数は、人口の約22%に当たる2600 万人にのぼります。
(UNHCR: https://www.unhcr.org/、IOM:https://www.iom.int/、日本の外務省:https://www.mofa.go.jp/ などの情報より)

今後の活動の方向と母体作り

DTS は、志を同じくする友人たちとの協力で小規模にスタートし、約3 年半継続できました。しかし、現在の状況ではこのやり方では十分に対応できなくなっており、持続可能な活動を行うためには、正式な運営母体を作る必要性を痛感しています。

今後の具体的な計画として、まず日本国内において非営利法人化を目指し、資金調達と運営の仕組みを構築したいと考えています。また、信頼関係が築ける現地パートナーと連携し、エチオピア国内でのライセンス取得を視野に入れた活動基盤の整備を進められたらと願っています。

エチオピアは、人道支援や教育支援のニーズが急増しており、安全に活動を継続できる基盤作りが重要です。今後は、正規のライセンスを持つ団体と協力して教育支援を進めつつ、他の活動も継続していきます。

引き続き、皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

Derejeさんと、彼の育った施設のスタッフや仲間と
アカコ村の学校で開催したイベントに来たこども達